2026-07-28

ウェーハキャリーケースとは?種類と選び方を解説

ウェーハキャリーケースとは?種類と選び方を解説

ウェーハキャリーケースとは?種類と選び方を解説

ウェーハキャリーケースは、半導体ウェーハを工程間で搬送したり、一時的に保管したりするための容器です。

ただし、「ウェーハキャリーケース」という名称だけで、形状や収納方法が決まるわけではありません。ウェーハを1枚ずつ収納するケース、複数枚を一定の間隔で保持するキャリア、ダイシングフレームごと収納するケースなど、用途によって構造は異なります。

選定時に最初に整理したいのは、何を、何枚、どのような状態で運ぶのかという点です。

この記事では、ウェーハキャリーケースの役割、主な種類、ウェーハカセットとの違い、選定時の確認ポイントについて解説します。

ウェーハキャリーケースとは

ウェーハキャリーケースとは、ウェーハの搬送や保管に使用するケース類を指す言葉です。

主に次のような目的で使用されます。

  • 搬送中の接触や位置ずれを抑える
  • ウェーハ表面や外周への傷を防ぎやすくする
  • ウェーハを所定の向きで保持する
  • 工程間での受け渡しをしやすくする
  • 保管中の異物付着リスクを抑える

ただし、ケースへ収納すれば、すべての破損や汚染を防げるわけではありません。

ウェーハの状態、搬送距離、使用環境に合った保持構造を選ぶことが重要です。

最初に確認したい収納対象

ウェーハキャリーケースを選ぶ前に、何を収納するのかを明確にします。

1. ウェーハ単体

ダイシングテープやフレームが付いていない状態のウェーハです。

1枚ずつ収納するタイプのほか、スロットやウェーハボートを使って複数枚を保持するタイプがあります。

表面への接触をできるだけ避けながら、外周や裏面側で安定して保持できる構造が必要です。

2. フレーム付きウェーハ

ウェーハがダイシングテープとダイシングフレームに固定された状態です。

この場合、ウェーハ径だけではケースを選べません。次のようなフレーム側の仕様を確認します。

  • 最大外形寸法
  • 厚み
  • 穴や切り欠きの位置
  • 収納方向
  • 収納枚数

同じ8インチウェーハ用でも、フレーム形状が異なれば、同じケースを使用できない場合があります。

3. ダイシング後のフレーム

ダイシング後は、分割されたチップがテープ上に保持されています。

搬送中にフレームが傾いたり、ケース内部で動いたりしないよう、保持位置や内部のクリアランスを確認する必要があります。

ウェーハキャリーケースの主な種類

1. シングルウェーハケース・シッパー

ウェーハを1枚ずつ収納するタイプです。

サンプルウェーハ、評価品、少量品の受け渡しなどに向いており、ウェーハを個別に管理しやすいことが特徴です。

同じ1枚用でも、ウェーハ単体用とフレーム付き用では内部構造が異なります。

2. ウェーハカセット・ウェーハボート

複数枚のウェーハを一定の間隔で保持するタイプです。

工程間搬送や装置への受け渡しに使用されることがあり、選定時には次の条件を確認します。

  • 対応ウェーハ径
  • 収納枚数
  • スロットピッチ
  • 挿入方向
  • 使用装置との適合性

同じ枚数を収納できても、スロット間隔や装置条件が異なれば、置き換えられない場合があります。

3. ケーキボックス型搬送ケース

ウェーハを水平に収納する円形または円筒形のケースです。

複数枚を収納する製品では、ウェーハ間にスペーサーや仕切り材を使用する場合があります。

外形や高さだけでなく、内部の保持方法、ウェーハ同士の接触、取り出し方まで確認してください。

4. フレーム用搬送ケース

ダイシングフレームやウェーハリングを収納するケースです。

フレーム外周を保持するタイプや、専用の溝へ差し込んで複数枚を収納するタイプがあります。

このタイプはウェーハ径ではなく、フレームの外形寸法と厚みを基準に選びます。

ウェーハキャリーケースの主な種類

ウェーハキャリーケース選定の5つのポイント

1. ウェーハ径と厚み

最初に、ウェーハの直径と厚みを確認します。

一般的には4インチ、6インチ、8インチ、12インチなどがありますが、インチ表記だけでなく、実際の寸法も仕様書で確認することが大切です。

薄型ウェーハの場合は、たわみや欠けに配慮した保持方法が必要になることがあります。

2. 収納状態

ウェーハ単体か、ウェーハボートに入った状態か、ダイシングフレーム付きかを確認します。

同じウェーハ径でも、収納状態が違えば、必要なケースの内寸や保持構造も変わります。

フレーム付きの場合は、ウェーハ径ではなくフレーム図面を基準に確認してください。

3. 収納枚数

1枚用か、複数枚用かを決めます。

複数枚を収納する場合は、最大収納枚数だけでなく、次の点も確認します。

  • ウェーハ間の間隔
  • スペーサーの有無
  • 出し入れのしやすさ
  • ウェーハ同士が接触しないか
  • 満載時の重量

収納枚数が多いほど適しているとは限りません。作業性や搬送方法も含めて判断します。

4. 搬送・保管の目的

工場内の工程間搬送と、社外への出荷では、必要な条件が異なります。

主な用途は次のとおりです。

  • 工程間搬送
  • 一時保管
  • サンプルの受け渡し
  • 国内輸送
  • 海外輸送
  • 長期保管

社外へ輸送する場合は、ケース単体だけでなく、外装箱、緩衝材、封止方法も含めて確認します。

5. 材質と使用環境

ケースやキャリアには、PP、PFA、導電性材料、帯電防止材料など、用途に応じた材質が使用されます。

選定時には次の条件を確認します。

  • クリーンルーム内で使用するか
  • 静電気対策が必要か
  • 薬液に触れる可能性があるか
  • 洗浄して繰り返し使用するか
  • 使用温度
  • 必要な清浄度

外観が似ていても、耐薬品性や静電気特性が同じとは限りません。必要な性能は製品ごとに確認してください。

ウェーハキャリーケースとウェーハカセットの違い

ウェーハキャリーケースは、ウェーハを搬送・保管するケース類を広く表す言葉として使われます。

一方、ウェーハカセットは、一般的に複数枚のウェーハをスロットごとに保持する構造を指します。

比較項目ウェーハキャリーケースウェーハカセット
主な目的保管、搬送、出荷複数枚の保持、工程間搬送
収納方法単枚、水平収納、フレーム収納などスロット収納が中心
収納枚数1枚から複数枚複数枚が中心
装置との連携製品によって異なる装置搬送に使用される場合がある
主な確認項目収納対象、内寸、保持構造、用途ウェーハ径、ピッチ、枚数、装置条件

ただし、「キャリア」「ケース」「カセット」「シッパー」の使い方は、メーカーによって異なります。
名称だけで判断せず、図面や仕様表で実際の構造を確認することが大切です。

問い合わせ時に準備したい情報

ウェーハキャリーケースについて問い合わせる際は、次の情報があると仕様確認を進めやすくなります。

  1. ウェーハの直径と厚み
  2. ウェーハ単体かフレーム付きか
  3. フレーム付きの場合は図面または主要寸法
  4. 1ケースあたりの収納枚数
  5. 搬送、保管、出荷などの使用目的
  6. 静電気対策や耐薬品性などの必要条件
  7. 使用装置や保管棚の寸法
  8. 必要数量

現在使用しているケースがある場合は、型式、写真、図面、実物サンプルも準備すると比較しやすくなります。

YJステンレスのウェーハ搬送・保管製品

YJステンレスでは、ウェーハのサイズ、収納状態、使用工程に応じた搬送・保管製品を取り扱っています。

主な製品は次のとおりです。

  • シングルウェーハケース
  • シングルウェーハシッパー
  • ウェーハキャリア
  • ウェーハカセット
  • PFA製ウェーハカセット
  • ケーキボックス型ウェーハ搬送ケース
  • フレームシッパーケース
  • ウェーハフレームカセット
  • FOUP
  • グリップリング搬送ケース

製品ごとに、対応ウェーハサイズ、材質、収納枚数、内部構造が異なります。

まず、ウェーハ単体かフレーム付きか、何枚収納するか、どの工程で使用するかを整理したうえで、適した製品を検討します。

ウェーハキャリーケースの選定については、ウェーハサイズ、収納状態、使用目的、必要数量をご準備のうえ、YJステンレスまでお問い合わせください

まとめ

ウェーハキャリーケースは、ウェーハを搬送・保管するための容器ですが、単一の形状や規格を指す名称ではありません。

選定時は、次の4点を確認します。

  • 何を収納するか
  • 何枚収納するか
  • どこへ、どのように搬送するか
  • どのような環境で使用するか

製品名やウェーハ径だけで決めず、収納状態、保持構造、材質、使用条件まで確認することで、選定ミスを防ぎやすくなります。


よくある質問

1. ウェーハ単体とフレーム付きウェーハに同じケースを使えますか?

保持方法と外形寸法が異なるため、同じケースを共用できるとは限りません。それぞれの収納状態に対応した製品を選ぶ必要があります。

2. 同じウェーハ径ならケースを共用できますか?

ウェーハ径が同じでも、厚み、収納枚数、保持方法、フレームの有無によって適合するケースは変わります。

3. ウェーハキャリーケースとシッパーは同じですか?

どちらも搬送用容器を指す場合がありますが、名称の使い方はメーカーによって異なります。実際の用途は、製品名ではなく構造と仕様で判断します。

4. 材質はどのように選べばよいですか?

清浄度、静電気対策、耐薬品性、洗浄の有無、使用温度など、実際の使用環境に必要な条件から選びます。

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