
ウェーハキャリーケースとウェーハカセットの違いとは?用途別の選び方を解説
ウェーハキャリーケースは、ウェーハの保管や搬送に使うケース類を広く表す名称です。一方、ウェーハカセットは、一般に複数枚のウェーハをスロットごとに保持し、工程間搬送や装置への受け渡しに使用されます。
ただし、「ケース」「キャリア」「カセット」「シッパー」といった呼び方は、メーカーによって異なります。製品名だけで選ばず、収納するもの、保持構造、使用装置を確認することが大切です。
この記事では、ウェーハキャリーケースとウェーハカセットの違いと、用途に応じた選び方を解説します。
ウェーハ搬送容器の種類については、「ウェーハキャリーケースとは?種類と選び方を解説」もあわせてご覧ください。
ウェーハキャリーケースとは
ウェーハキャリーケースは、ウェーハを保管・搬送するケース類の総称として使われる言葉です。
「ウェーハケース」「ウェハケース」「ウェーハ搬送ケース」「ウェーハキャリア」など、似た名称で呼ばれることもあります。
主なタイプは次のとおりです。
- ウェーハを1枚ずつ収納するケース
- 複数枚を水平に収納するケース
- スペーサーを使って重ねるケース
- ダイシングフレームごと収納するケース
- 蓋付きの輸送用シッパー
サンプルの受け渡し、一時保管、工程間搬送、社外への出荷など、製品によって想定される用途は異なります。
ウェーハカセットとは
ウェーハカセットは、一般に複数枚のウェーハをスロットごとに分けて保持する容器です。
ウェーハ同士を一定の間隔に保ちながら、まとめて搬送できます。工程間搬送のほか、製造装置への受け渡しに使用される場合もあります。
選定時には、次の仕様を確認します。
- 対応ウェーハ径
- 収納枚数
- スロットピッチ
- ウェーハの挿入方向
- カセットの外形寸法
- 位置決め部の形状
- 使用装置との適合性
同じ8インチ用、25枚収納と表示されていても、外形寸法やスロット構造が異なれば、そのまま置き換えられるとは限りません。

ウェーハキャリーケースとウェーハカセットの違い
| 比較項目 | ウェーハキャリーケース | ウェーハカセット |
|---|---|---|
| 主な用途 | 保管、搬送、出荷、サンプルの受け渡し | 複数枚の保持、工程間搬送、装置への受け渡し |
| 収納方法 | 単枚、水平収納、積層、フレーム収納など | スロット収納が中心 |
| 収納枚数 | 1枚から複数枚 | 複数枚が中心 |
| 主な収納対象 | ウェーハ単体、フレーム付きウェーハなど | 主にウェーハ単体 |
| 選定で重視する点 | 収納対象、保持方法、用途、内寸 | ウェーハ径、ピッチ、枚数、装置条件 |
この比較は一般的な傾向です。
メーカーによっては、スロット式製品を「ウェーハキャリア」と呼ぶ場合や、水平収納タイプを「ウェーハカセット」と呼ぶ場合もあります。最終的には、図面や仕様表で構造を確認してください
30秒で分かる選び分け
用途ごとの目安は、次のとおりです。
- ウェーハを1枚ずつ保管・出荷したい
シングルウェーハケースやシングルウェーハシッパー - 複数枚を工程内でまとめて搬送したい
ウェーハカセット - ダイシングフレーム付きウェーハを収納したい
ウェーハフレームカセットや専用の搬送ケース - 装置へ直接セットしたい
装置型式、外形寸法、スロットピッチ、位置決め構造を優先して確認
名称よりも、実際の収納状態と使用方法から選ぶほうが確実です。
用途別の選び方
1. ウェーハを1枚ずつ管理する場合
評価用ウェーハやサンプルを個別に管理する場合は、シングルウェーハケースやシッパーが候補になります。
1枚単位で区別しやすく、ウェーハ同士の接触も避けやすい構造です。
選定時は、ウェーハ径だけでなく、厚みや内部の保持位置も確認します。
2. 複数枚を工程間で搬送する場合
複数枚のウェーハを一定間隔で保持したい場合は、ウェーハカセットが向いています。
装置へセットする場合は、次の条件が重要です。
- カセットの外形寸法
- スロットピッチ
- 収納枚数
- 挿入方向
- 位置決め部
- 装置側の受け入れ条件
「ウェーハが収納できる」というだけでは、装置で使用できるとは限りません。
3. 社外へ出荷する場合
出荷や長距離輸送には、蓋付きのケースやシッパーが候補になります。
ただし、ケース単体ですべての振動や衝撃を防げるわけではありません。外装箱、緩衝材、封止方法まで含めて梱包条件を検討します。
4. フレーム付きウェーハを収納する場合
ダイシングフレーム付きウェーハは、一般的なウェーハカセットに収納できないことがあります。
この場合は、ウェーハフレームカセットやフレーム用搬送ケースを検討します。
確認するのはウェーハ径ではなく、フレーム側の仕様です。
- 最大外形寸法
- 厚み
- 穴や切り欠きの形状
- 収納方向
- 収納枚数
キャリーケースとカセットは置き換えられる?
ウェーハ径が同じでも、そのまま置き換えられるとは限りません。
主な理由は次のとおりです。
- ウェーハの保持位置が異なる
- 収納方向が異なる
- スロットピッチが異なる
- 外形寸法が装置に合わない
- 蓋や固定方法が異なる
- 位置決め部が装置に合わない
特に装置で使用する場合は、ケースやカセット全体の図面を確認する必要があります。
選定前に確認したい4つの項目
1. 収納するもの
ウェーハ単体か、フレーム付きかを確認します。
同じウェーハ径でも、収納状態が異なれば必要な製品も変わります。
2. 収納枚数
1枚ずつ管理するのか、複数枚をまとめて搬送するのかを決めます。
複数枚の場合は、収納枚数だけでなく、スロットピッチや取り出し方法も確認してください。
3. 装置で使用するか
手作業で搬送するのか、装置や搬送ロボットへセットするのかによって、必要な仕様は異なります。
装置で使用する場合は、メーカー名、型式、現在使用しているカセットの図面があると確認しやすくなります。
4. 保管か輸送か
工場内での一時保管と社外輸送では、求められる固定方法や包装条件が異なります。
搬送距離、保管時間、繰り返し使用の有無も整理しておきます。
問い合わせ時に準備したい情報
ウェーハキャリーケースやウェーハカセットを選ぶ際は、次の情報があるとスムーズです。
- ウェーハの直径と厚み
- ウェーハ単体かフレーム付きか
- 収納枚数
- 保管、工程間搬送、出荷などの用途
- 使用装置のメーカーと型式
- 必要なスロットピッチ
- 材質や静電気対策などの条件
- 必要数量
現在使用している製品がある場合は、型式、図面、写真もあわせて準備してください。
YJステンレスのウェーハ搬送・保管製品
YJステンレスでは、収納対象や使用目的に応じた各種ウェーハ搬送・保管製品を取り扱っています。
- シングルウェーハケース
- シングルウェーハシッパー
- ウェーハキャリア
- ウェーハカセット
- PFA製ウェーハカセット
- ウェーハスタックケース
- ケーキボックス型ウェーハ搬送ケース
- ウェーハフレームカセット
- フレームシッパーケース
- FOUP
製品ごとに対応サイズ、収納枚数、材質、保持方法が異なります。
ウェーハ単体かフレーム付きか、何枚収納するか、装置へセットするかを確認したうえで、用途に合った製品を選定します。
ウェーハキャリーケースやウェーハカセットの選定については、ウェーハサイズ、収納枚数、用途、装置情報をご準備のうえ、YJステンレスまでお問い合わせください。
まとめ
ウェーハキャリーケースは、ウェーハの保管や搬送に使われるケース類を広く表す名称です。
一方、ウェーハカセットは、一般に複数枚のウェーハをスロットごとに保持し、工程間搬送や装置への受け渡しに使われます。
選定時は、次の点を確認してください。
- ウェーハ単体かフレーム付きか
- 1枚用か複数枚用か
- 保管、搬送、出荷のどれに使うか
- 装置へ直接セットするか
名称だけで判断せず、収納構造、寸法、使用条件を確認することが、選定ミスを防ぐポイントです。
よくある質問
1. ウェーハキャリーケースとウェーハカセットは同じものですか?
同じ意味で使われる場合もありますが、一般的には収納構造や用途が異なります。製品名だけでなく、保持方法と仕様を確認してください。
2. 同じ8インチ用なら置き換えられますか?
同じウェーハ径でも、収納枚数、スロットピッチ、外形寸法、位置決め構造が異なる場合があります。そのまま置き換えられるとは限りません。
3. フレーム付きウェーハを通常のウェーハカセットに収納できますか?
一般的なウェーハカセットは、ウェーハ単体を収納する構造です。フレーム付きの場合は、ウェーハフレームカセットや専用の搬送ケースを検討します。