2026-07-21

ダイシングフレームとダイシングテープの関係

ダイシングフレームとダイシングテープの関係

ダイシングフレームとダイシングテープの関係とは?役割と選定ポイント

ダイシング工程では、ダイシングフレームとダイシングテープを組み合わせて使用します。

ダイシングテープは、加工前のウェーハと切断後のチップを保持するためのものです。一方、ダイシングフレームは、そのテープを固定し、装置へのセットや工程間の搬送を行いやすくする役割を持ちます。

どちらか一方の仕様だけが合っていても、フレーム寸法、テープサイズ、装置条件の組み合わせが適切でなければ、安定して使用できないことがあります。

この記事では、ダイシングフレームとダイシングテープの役割、組み合わせる際に確認したいポイント、適合しない場合に起こりやすい問題について解説します。

ダイシングフレームの基本については、「ダイシングフレームとは?役割・材質・選び方を解説」もあわせてご覧ください。

ダイシングフレームとダイシングテープの役割

ダイシングフレームは、ダイシングテープを所定の位置に固定するための枠です。

フレームにテープを取り付け、その上にウェーハをマウントした状態で、テープマウンターやダイシング装置へセットします。切断後もフレームごと取り扱えるため、チップの位置を保ったまま次工程へ移しやすくなります。

ダイシングテープは、ウェーハや切断後のチップを保持します。ダイシング後もチップがテープ上に残るため、検査やピックアップまでの間、配列を維持しやすくなります。

役割を簡単に分けると、次のようになります。

  • ダイシングフレーム:テープの固定、装置への装着、搬送
  • ダイシングテープ:ウェーハと切断後のチップの保持

フレームとテープは、別々の部品ではありますが、実際の工程では一つの組み合わせとして考える必要があります。

一般的な使用の流れ

工程や装置によって違いはありますが、一般的には次のような流れで使用されます。

  1. ダイシングテープをフレームに取り付ける
  2. ウェーハをテープ上に貼り付ける
  3. フレームごとダイシング装置へ搬送する
  4. ウェーハをチップ単位に切断する
  5. 切断後のチップをテープ上に保持したまま次工程へ移す

実際の貼り付け順序やマウント方法は、使用するテープマウンターや製造条件によって異なります。

組み合わせを確認する5つのポイント

1. フレーム寸法とテープ外径

最初に確認したいのは、フレーム寸法とテープ外径の組み合わせです。

テープが小さすぎると、フレームへ固定するための面積を十分に確保できません。反対に大きすぎる場合は、外周からはみ出したり、装置へのセットに影響したりすることがあります。

同じ8インチウェーハ向けであっても、すべてのフレームとテープを共通で使用できるとは限りません。

2. テープの貼り付け範囲

ウェーハの周囲には、テープをフレームへ固定するための余白が必要です。

主に確認する寸法は次のとおりです。

  • ウェーハ径
  • フレームの内径
  • フレームの外形寸法
  • テープの外径
  • ウェーハ周囲の余白

貼り付け範囲が不足すると、テープを安定して固定しにくくなります。必要な余白は、フレーム形状や装置仕様によって変わります。

3. ダイシングテープの種類

ダイシングテープには、UV硬化型と非UV型があります。

UV硬化型は、ダイシング後に紫外線を照射して粘着力を低下させ、チップを取り外しやすくするタイプです。非UV型は、UV照射を使わない工程で使用されます。

選定時には、次の条件を確認します。

  • テープの厚み
  • 粘着特性
  • UV照射の有無
  • ウェーハの厚み
  • チップサイズ
  • ピックアップ方法

テープの種類だけでなく、使用装置や後工程との相性も重要です。

4. テープマウンターとの適合性

フレームとテープの寸法が合っていても、テープマウンターに対応していなければ使用できません。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 対応するフレーム寸法
  • 対応するテープサイズ
  • フレームの位置決め方法
  • 搬送方向
  • クランプ位置
  • テープの貼り付け方法

装置のメーカーや型式が分かれば、仕様確認を進めやすくなります。

5. ダイシング後の工程

フレームとテープは、切断工程だけを見て選ぶものではありません。

切断後の搬送や検査、ピックアップまで含めて、次の点を確認します。

  • チップを安定して保持できるか
  • ピックアップ工程に対応できるか
  • 搬送カセットに収納できるか
  • UV照射工程が必要か
  • 次工程の装置に適合するか

後工程まで確認しておくことで、途中でフレームやテープを変更するリスクを減らせます。

フレームとテープが合わない場合に起こりやすい問題

フレームとテープの組み合わせが適切でない場合、次のような問題が起こることがあります。

  • テープの貼り付け範囲が不足する
  • テープがフレーム外周からはみ出す
  • テープを安定して固定できない
  • テープマウンターへ正しく装着できない
  • ダイシング装置内で位置が合わない
  • 搬送カセットに収納できない

新しいフレームやテープを採用する際は、量産前に装着状態、位置決め、搬送のしやすさを確認しておくと安心です。

問い合わせ時に準備したい情報

フレームとテープの適合性を確認する際は、次の情報を準備しておくとスムーズです。

  • ウェーハの直径と厚み
  • フレームの図面または主要寸法
  • ダイシングテープの製品名
  • テープの外径と厚み
  • テープマウンターのメーカーと型式
  • ダイシング装置のメーカーと型式
  • 切断後の工程
  • 必要数量

現在使用しているフレームやテープの実物サンプルがあれば、図面だけでは確認しにくい貼り付け範囲や位置関係も把握しやすくなります。

問い合わせ時に準備したい情報

YJステンレスのダイシングフレーム対応

YJステンレスでは、金属製・樹脂製ダイシングフレームをはじめ、搬送カセットや保管ケースなどの関連製品を取り扱っています。

使用するウェーハ、ダイシングテープ、装置条件に合わせて、次のような仕様についてご相談いただけます。

  • フレームの外形寸法や内径
  • 厚みや材質の変更
  • 穴・切り欠き加工
  • 位置決め形状の調整
  • レーザー刻印
  • フレームの洗浄・再生
  • 搬送カセットや保管ケース
  • 使用装置に合わせたカスタム設計

現在使用しているフレームの図面や実物サンプル、ダイシングテープの仕様をご提示いただければ、用途に合った仕様を確認しやすくなります。

ダイシングフレームの選定やカスタム製作については、YJステンレスまでお気軽にお問い合わせください

まとめ

ダイシングテープはウェーハや切断後のチップを保持し、ダイシングフレームはそのテープを固定して、装置への装着や搬送を支えます。

選定時は、次の条件をまとめて確認することが重要です。

  • フレームの寸法
  • テープの外径と厚み
  • 貼り付け範囲
  • テープの種類
  • テープマウンター
  • ダイシング装置
  • 切断後の工程

フレームとテープを別々に考えるのではなく、使用する装置や後工程まで含めて確認することで、適合ミスを防ぎやすくなります。


よくある質問

1. 同じウェーハサイズなら、どのフレームとテープでも使えますか?

いいえ。同じウェーハサイズ向けでも、フレームの内径、外形寸法、テープ外径、装置仕様が異なることがあります。ウェーハサイズだけで互換性を判断することはできません。

2. UVテープと非UVテープでフレームを変更する必要がありますか?

必ずしも変更が必要とは限りません。ただし、テープの外径、厚み、貼り付け方法、使用装置が変わる場合は、フレームとの適合性を確認する必要があります。

3. 使用中のテープに合わせてフレームを製作できますか?

テープの外径、厚み、貼り付け範囲、装置情報が分かれば、用途に合わせたフレーム寸法や形状を検討できます。

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