2026-08-13

グリップリングとダイシングフレームの違い|用途・構造を比較

グリップリングとダイシングフレームの違い|用途・構造を比較

グリップリングとダイシングフレームの違い|用途・構造・選び方を比較

グリップリングとダイシングフレームは、どちらも半導体後工程でウェーハやダイシングテープを扱うために使われます。

ただし、主な役割は異なります。

ダイシングフレームは、ウェーハとダイシングテープを支持し、主にダイシング工程で使用します。
グリップリングは、ダイシング後に拡張したテープを固定し、チップ間隔を保持するために使用します。

見た目や対応ウェーハサイズが近くても、そのまま置き換えたり、同じ装置や搬送ケースを共用できるとは限りません。

この記事では、両者の違いを「使用工程」「構造」「共用可否」「既存品の置き換え」という視点から整理します。

グリップリングとダイシングフレームの違いを先に比較

比較項目グリップリングダイシングフレーム
主な役割拡張後のテープを固定し、チップ間隔を保持するウェーハとダイシングテープを支持する
主な使用工程テープエキスパンド後からピックアップ工程ウェーハマウントからダイシング工程
代表的な構造インナーリング+アウターリング一体型の金属または樹脂フレーム
テープの保持方法リング間に挟み込んで固定するフレーム表面へテープを貼り付ける
共用判断で見る点外形、厚み、嵌合後の高さ、装置条件外形、板厚、穴・ノッチ、装置条件
置き換えダイシングフレームとは役割が異なり、単純な置き換えはできないグリップリングとは役割が異なり、単純な置き換えはできない

最も大きな違いは、使用する工程とテープの保持方法です。

グリップリングはエキスパンド後のテープを保持する

グリップリングは、ダイシング後に拡張したテープを保持し、広げたチップ間隔を維持するために使用します。

代表的なタイプは、インナーリングとアウターリングを組み合わせる構造です。

ダイシングテープをエキスパンダーで広げたあと、両リングでテープを固定します。

グリップリングの詳しい構造やサイズ選定については、別の記事「半導体用グリップリングとは?構造・用途・選び方」で詳しく解説します。

ダイシングフレームはダイシング工程でウェーハを支持する

ダイシングフレームは、ダイシングテープを保持し、その上に貼り付けたウェーハをダイシング工程で扱うためのフレームです。

一般的には、テープをフレームへ貼り付け、その中央部にウェーハをマウントします。

その状態でダイシング装置へセットし、ウェーハを個々のチップへ分割します。

製品によって、外形寸法、板厚、穴やノッチの位置、材質などが異なります。

また、「ウェーハフレーム」「ウェーハリング」「リングフレーム」など、メーカーや現場によって異なる名称が使われる場合があります。

そのため、名称だけで判断せず、製品構造と使用工程を確認することが重要です。

工程で見ると違いがわかりやすい

グリップリングとダイシングフレームは、同じ半導体後工程で使われることがありますが、使用するタイミングが異なります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. ダイシングテープをダイシングフレームへ固定する
  2. ウェーハをテープへマウントする
  3. ウェーハをダイシングする
  4. ダイシング後のテープをエキスパンドする
  5. グリップリングで拡張状態を保持する
  6. 検査・搬送・ピックアップ工程へ移す

設備構成によって工程順序は異なりますが、基本的には、

ダイシング工程での支持=ダイシングフレーム
エキスパンド後の保持=グリップリング

と考えると違いを理解しやすくなります。

グリップリングとダイシングフレームは置き換えられる?

基本的には、同じ機能を持つ部材として単純に置き換えるものではありません。

ダイシングフレームはダイシング工程でウェーハとテープを支持し、グリップリングはエキスパンド後のテープを保持するために使用します。

ただし、既存ラインの変更や装置更新時には、フレーム、グリップリング、搬送ケースをまとめて見直す場合があります。

グリップリングとダイシングフレームは置き換えられる?

搬送ケースは同じものを使える?

搬送ケースによっては、グリップリングとダイシングフレームの両方に対応できる場合があります。

ただし、ケースに入ることと、安全に保持・搬送できることは別です。

確認したいのは、主に次の4点です。

  • 最大外形
  • 厚み
  • スロット形状
  • ケース内部の保持位置

リングやフレームがケース内で動かないこと、テープ面やチップへ不要な接触がないことも確認します。

搬送ケースの詳しい選び方については、グリップリング搬送ケースの記事で詳しく解説します。

使用目的からどちらを選ぶ?

使用目的主に確認する製品
ダイシング工程でウェーハを支持したいダイシングフレーム
ダイシング後にテープを拡張したいエキスパンダー
拡張後のチップ間隔を保持したいグリップリング
工程間で搬送・保管したい対象製品に対応した搬送ケース
既存品を置き換えたい現在使用中の型式・図面・実寸を基準に確認

どちらを選ぶか迷った場合は、「何インチか」よりも、どの工程で何をしたいのかから考えると判断しやすくなります。

YJステンレスでの選定・組み合わせ

YJステンレスでは、グリップリング関連製品とダイシングフレーム関連製品の両方を取り扱っているため、使用工程に合わせて、リングやフレーム本体だけでなく、搬送・保管方法まで含めて確認できます。

リング単体ではなく、使用工程・装置・搬送方法を含めた組み合わせで仕様を確認することが重要です。

ダイシング工程では、フレームの外形や板厚、位置決め形状が重要になります。

一方、エキスパンド後の工程では、グリップリングの外形や嵌合状態に加えて、搬送ケース内でどの位置を保持するかも確認が必要です。

特に既存ラインで使用している製品から切り替える場合は、単に「同じ6インチ」「同じ8インチ」という条件だけでは判断できません。

重要なのは、現在の工程でどの部材を使い、どの装置やケースへ受け渡しているかです。

現在使用している製品の型式や図面がある場合は、それらをもとに、外形、厚み、位置決め形状、装置条件、搬送方法の違いを確認しやすくなります。

グリップリングとダイシングフレームのどちらを選ぶべきか、また既存設備や搬送ケースとの組み合わせを確認したい場合は、現在の使用工程、型式、図面、必要数量をご準備のうえ、YJステンレスまでお問い合わせください

まとめ

グリップリングとダイシングフレームの最も大きな違いは、使用工程と役割です。

  • ダイシングフレーム:ウェーハとダイシングテープを支持し、主にダイシング工程で使用する
  • グリップリング:ダイシング後に拡張したテープを固定し、チップ間隔を保持する

同じウェーハサイズ向けでも、本体の外形や厚み、位置決め構造は異なる場合があります。

既存品の置き換えや搬送ケースの選定では、名称や「6インチ」「8インチ」といった表示だけで判断せず、実際の図面寸法、装置側の保持条件、搬送ケース内の保持位置まで確認することが重要です。


よくある質問

1. グリップリングとダイシングフレームは同じものですか?

同じものではありません。

ダイシングフレームは主にダイシング工程でウェーハとテープを支持し、グリップリングはエキスパンド後のテープを保持するために使用します。

2. ウェーハリングはどちらを指しますか?

名称だけでは判断できません。

メーカーや現場によって、ダイシングフレームを指す場合もあれば、リング状の保持部材を広く指す場合もあります。

製品の構造と使用工程を確認してください。

3. 同じウェーハサイズなら共用できますか?

必ずしもできません。

対応ウェーハサイズが同じでも、外形、厚み、位置決め構造、装置条件などが異なる場合があります。

4. 同じ搬送ケースに収納できますか?

ケースの内部構造によります。

最大外形、厚み、スロット形状、保持位置が対象製品に合っているか確認してください。

上部へスクロール